ユキワリイチゲ キンポウゲ科 イチリンソウ属
名前の由来: 一輪の花を咲かせるものに「一華」を冠する。
したがって,雪を割って一輪の花を咲かせるという意味になる。
しかし,実際には開花期には雪がまったくない場合が多いので文字通り
「雪を割って」咲くわけではない。
生育環境・特徴: 森や雑木林の中に生える多年草。滝の近くで見ることが多い
花期: 3~4月 分布: 本州(近畿地方以西) 四国 九州
3小葉からなる根生葉は菱形のような形をしていて鋸歯がある。
表面は白い斑紋がある濃緑色だがしばしば部分的に淡褐色化しており,
裏面は地味な紫色をしている。3枚が輪生する茎葉の中心部分から花柄を出し
その先に一輪だけ少し菊に似た雰囲気を持った花をつける。
径は3.5cmほどで淡紫色~白色です。
花弁に見えるのは実際は萼が変化したものだが,概ね10~20ほどあるようだ。
ユキワリイチゲの花の愛らしさに比して,葉は綺麗とは言い難い。
これは,他のイチリンソウの仲間とは異なり,
葉は越年するためで冬の間に傷むからのようです。
イヌセンブリ リンドウ科 センブリ属
イヌセンブリは本州・四国・九州、朝鮮・中国に分布する越年生の一年草。
湿原の周辺の湿地に生育する。湿原の植生の低い場所に生育する場合には、
高さ5cm程度で地面付近でいくつかに枝分かれ、やや匍匐する生育形となりやすいが、
植生が高い場所では草丈30cmを超え、単幹状で立ち上がる。茎は細く、
柔らかい。葉は倒被針形で、センブリに比べると幅が広い。
花は10月から11月に咲き、白地に紫色の筋が入る。
イヌセンブリは苦味がないので、薬用には用いられない。
口にしてみると、苦味がまったくないわけではなく、センブリの苦味がわずかにある。
各地で生育数が減少していることが指摘されており、
RDB種として指定されている。岡山県では準危急種。